[84] 瞼が腫れる!? 垂れ下がる!? 原因不明の謎を解け!【解決編】 2

 

【Aさん21才・女子大生の場合】


まずホームズ君は、Aさんの腫れ上がった瞼を指先に力を入れて開き、視力を確かめた。


すると、痛みをこらえながらも「見えています」という答が返ってきた。

眼球の動きは痛みのため確かめられなかった。

「ホームズ君。物は見えているようだよ。良かったね」
「うん。チームメートが心配していた、Aさんの『見えない』という訴え。

それは恐らく急激に瞼がふさがって、閉じてしまったことで見えなかっただけだね」

幸い、失明は免れているようだ。

しかし、左眼を激しく打撲し、頭部をマットに打ちつけている。

直ちにX線CT検査をする必要がある。


「頭部CTの準備をして下さい」
ホームズ君はスタッフに声をかけた。


5分もしないうちにできあがったCTフィルムを前に、

ホームズ君とワトソン君は額を寄せ合うようにして考えこんでいた。

「脳には幸い傷んでいるところはないようだね。
「しかし、というと? ホームズ君」
「確かに脳は大丈夫だ。しかし……」

「眼の凹み、つまり眼窩(がんか)という部分だ」
「左眼球の後の壁が見えないね」
「左眼に加わった強い衝撃のために、眼窩骨折が起きているんだ」
「相当強い打撲だったんだね」

Aさんは、友人と共にホームズ君から眼窩骨折の説明を受け、

CT写真を入れたCDを持って治療のためにK医療センターへ向かったのだった。


2週間ほど経って、K医療センター形成外科から手紙が送られてきた。

それによると、眼窩骨折が広く手術が必要だったので、

全身麻酔をして骨折部を塞ぐ手術をしたとのことであった。

 

経過は良好で、視力の障害もないと書かれていた。

最近になって他の用件で診療所を訪ねて来たAさんに、しばらくぶりに再会できた。

幸いなことに全く後遺症もなく元気だったので、ホームズ君、ワトソン君にとって

嬉しい再会となったのだった。






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