[87] 血圧、不眠で悩む高齢者を救い出せ[事件編] 2

 

 

  Aさんのお薬手帳に目を通していたワトソン君が

 「色々と、効果が期待できそうな血圧のお薬を服用されているのに、これでも下がらないんですね」

 と二人に疑問を投げかけると、その言葉を引き取るようにホームズ君が「ご自宅での血圧の記録をお持ちですか」と尋ねた。


 「ああ、持って来ています」とAさんが血圧手帳を差し出した。
 ホームズ君が手帳を開いてみると、そこには几帳面なしっかりとした書体の数字が並んでいた。


 「176、180、194、206……。ウーム。高いですね」


 Aさんご夫婦は、ホームズ君の反応をじっと覗うように注目していたが、その言葉に身体を強張らせるように沈黙した。


 さあ、ホームズ君は、どのように解決の道を見つけ出してゆくのだろうか。

 

 

 

 【Bさん・76才女性の場合】


 娘さんに寄り添われるようにして、診察室に入って来られたBさん。

 Bさんの悩みは、毎晩のように寝つきが悪く、朝起きても眠ったという満足感が得られないということだった。

 


 そんな毎日が、もうかれこれ2~3ヶ月にもなる。

 短い会話の中で、そんな切実な日常に困り果ててしまっている様子がうかがえた

 

「眠れないとさぞかし辛いでしょう。それが、2~3ヶ月も続いている――。

 ご本人も辛いと思いますが、ご家族も大変だったでしょうね」と、

 それまでじっと耳を傾けていたホームズ君が口を開いた。

 

 一方、少しリラックスした雰囲気にしようと気を回し、ワトソン君は話題を変えた。

 「どうして、こちらを訪ねて来ようと思われたのですか」


「ええ。母は昨年、ガンの手術を受けていまして、その総合病院の神経内科の先生に、

 眠れないことを相談に行ったのです。当然、治療を期待していたのですが、

 先生に心療内科を受診するよう勧められたのです」

 

 娘さんが事の経緯を、そう説明してくれたのだった。その話を聞いて、ホームズ君は思った。

確かに、手術を主にしている脳神経外科は別としても、一般に神経内科と診療内科の区別はつきにくい。



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